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「確定拠出年金」「iDeCo」「企業型確定拠出年金」の検索ボリュームを調査

「確定拠出年金 デメリットしかない」という検索ワードから本ブログへの流入が2021年11月以降で増加しています。これを機に「確定拠出年金」「iDeCo」「企業型確定拠出年金」の検索ボリュームを調べて各ワードの傾向の違いを検証しました。


「確定拠出年金 デメリットしかない」の検索表示回数推移


まずはきっかけとなった「確定拠出年金 デメリットしかない」の検索表示回数推移から紹介します。
「確定拠出年金 デメリットしかない」の検索表示回数推移
※Search Consoleデータ
この様に、11月に入ってから検索表示回数が大きく増加しています。ちょうど衆議院総選挙が終わったタイミングになるのですが、要因を探ってみました。11月頭ですが、ちょうど確定拠出年金の制度が開始されて20年が経過したタイミングで、複数のメディアに取り上げられていました。
誕生20年の確定拠出年金「わかりにくい制度」の壁(2021/11/1 毎日新聞)
確定拠出年金、利用増やすには(2021/11/9 日本経済新聞)

記事タイトルからして制度への理解が進んでいない印象を強く受けますが、制度の分かりづらさが要因で今回の検索ワード増加に繋がっているとみて良さそうです。推進側の啓蒙不足とも言えそうですので、厚生労働省には理解促進に向けて頑張ってもらいたいですね。

「確定拠出年金」VS「iDeCo」VS「企業型確定拠出年金」


併せてGoogleトレンドでも、「確定拠出年金」「iDeCo」「企業型確定拠出年金」の3ワードの過去90日における検索ボリュームを調べてみました。
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Googleトレンドの結果を見ると、「確定拠出年金」と「iDeCo」はほぼ同様の検索ボリュームで、「企業型確定拠出年金」はこの2ワードと比較すると1/7程度の検索ボリュームでした。これを見てしまうと、このブログのタイトルは企業型確定拠出年金ではなく、確定拠出年金としておけば良かったかな…とも感じますが、後の祭りですね。事前にちゃんとトレンドを把握しておくのは重要です。
補足しておくと、iDeCoは「個人型確定拠出年金」と言われており、企業型確定拠出年金と同様に確定拠出年金制度になります。
確定拠出年金
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)
  • 企業型確定拠出年金(企業型DCとも呼ばれる)

この様な関係です。
さらに言うとiDeCoの加入者は約200万人ほどで、一方の企業型確定拠出年金(企業型DC)は約750万人です。人数から考えれば後者の方が検索ボリュームが多くなっても良さそうですが、実際にはそうなっていません。企業型確定拠出年金に加入している人は情報収集が疎かになりがちなのかもしれません。

検索ワードごとの都道府県興味関心度の違い


Googleトレンドでは調査ワードごとの地域差も確認できます。以下は「確定拠出年金」「iDeCo」「企業型確定拠出年金」の3ワードごとの地域別の興味関心TOP5です。

  • 確定拠出年金のインタレスト
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  • iDeCoのインタレスト
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  • 企業型確定拠出年金のインタレスト
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個人的にはなかなか興味深いな…と感じました。まず、確定拠出年金とiDeCoには、日本で都市圏とされる都道府県が含まれておらず、iDeCoに関しては沖縄の割合が非常に多くなっています。一方で、企業型確定拠出年金は都市圏でTOP4を占めています。企業型確定拠出年金の導入企業が都市圏に集中してしまっている事が要因なのだと思いますが、地域で導入の差がある状態は好ましくないのでは?と個人的には考えますので、厚生労働省にはこの地域差についても検証してもらい、制度の改善を図って欲しいです。

実はこのブログは以下の記事への流入が非常に多いですが、それもネガティブな検索ワードによるものです。制度が開始されて20年経過し、投資への関心も国内で強まってきている印象はありますが、関心が高まるにつれて制度に対するネガティブな印象も高まっている印象です。ネガティブな印象を少なくしていけるような制度の啓蒙活動が求められているのかな…と思います。
【本ブログ記事】
企業型確定拠出年金で「デメリットしかない」「ひどい」という声が上がる理由(2021/4/18)

著者:gnc21
東京都在住。Webサイト・スマートフォンアプリのデータ計測支援や分析業務を行う会社員。
企業型確定拠出年金の運用を2020年より開始。投資運用経験は企業型確定拠出年金のほか、一般NISAによる国内株式の特定銘柄購入、投資信託やETF購入が中心。