円安における為替ヘッジあり商品・為替ヘッジなし商品の特徴を理解する
2022年3月以降、アメリカドルに対しての円安の傾向が顕著です。投資信託の外国株式商品や外国債券商品には「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」があり、企業型確定拠出年金の運用商品にも含まれている場合があります。今回は、為替ヘッジあり商品と為替ヘッジなし商品の特徴について触れていきます。
それでは今年2022年の円・アメリカドルの為替レートの推移から振り返ってみます。

Google Financeより
年初から3月頭までは約115円前後で推移していましたが、米国で金利上昇が始まって以降は上昇して本日時点では129円まで上昇しました。年初からは約13%アップとなっています。
例えば年初に10万円で米国銘柄、あるいは米国の投資信託商品を購入していた場合、その銘柄が年初と現在で同じ価格だったとしても、円安で資産価値は約13%アップした、という計算になります。つまりは円安の恩恵を受けている状態で、3月末に海外株式商品が好調であった最大の要因も円安が関係していました。
この円安の傾向ですが、米国ではFRBがインフレ抑制に向けてさらに金利上昇に積極的な姿勢を示しています。
FOMCに注目、0.5%利上げか 資産圧縮焦点=今週の米株市場(ロイター 2022/5/1)
その一方で日本はどうかというと、日銀は現在の金利緩和を継続する意向を示している状態です。
日銀、金融緩和維持 指し値オペを連日実施へ:識者はこうみる(ロイター 2022/4/28)
通常は円安を防止するために米国と同様に金利を上げる対策を打つことが多いのですが「しばらくは行わない」と表明したことで、この円安の流れはしばらくは止まらないだろう、という見方が多い様です。米国の投資家からすると日本銘柄を安価に購入できる機会なので、国内のIR担当者の皆様は英語IRに注力する絶好の機会なのかも…とも感じてしまいますね。逆にその動きが無い場合、国内企業は海外から見向きもされていない状態と理解するしかなさそうです。
先述の通り、円とアメリカドルの為替レートは3月以降で大きく変動しましたが、ここで関係してくるのが「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」という商品の違いで、簡単な比較表にすると以下の様になります。

つまり「為替ヘッジあり」は今回のような円安、あるいは円高に左右されないようにする商品、一方の「為替ヘッジなし」は円安や円高の影響をガッツリ受ける商品という違いがあります。いまは円安なので、為替ヘッジなし商品を年初に購入していたら、その恩恵を受けている状態、という事になります。もし今後どこかのタイミングで円高になった場合、逆にマイナスの力が働く形になります。
企業型確定拠出年金に目を向けると、おそらく海外株式商品でも「ヘッジあり」といった記載が入った商品が用意されていると思います。私の場合だと、海外株式商品は以下の4商品がラインナップされています。この中では2番目の「インデックスファンド海外株式ヘッジあり(DC専用)」がヘッジあり商品で、これは為替レートの影響を受けない商品となっています。

では実際にポートフォリオを検討する際、「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」のどちらを選択すべきなのか?という事になりますが、これは非常に難しく、私自身も明確な回答は持っていません。
この程度の指針しかありません。ただでさえ株式市場の推移を予測する事ですら困難なのに、為替レートも踏まえていくとなると一般の投資知識レベルでは到底太刀打ちできない、というのが本音です。経済の知識は得られるかな、とは思いますが。
結局、私の場合は「より低い信託報酬を」という方針で、ヘッジなし商品のポートフォリオが高い状態になっています。いまは円安の恩恵を受けていますが、円高の時はマイナスに働くのは致し方ないか、と腹を決めた状態です。
ヘッジなし商品での運用、という視点でまとめると、株価と為替の関係で整理するとこうなるか、と思います。「究極の×」が来ないことを祈るのみです。

今回は年初からの円安の流れを受けての為替に対するリスクヘッジについて取り上げてきましたが、主要マーケット指標の推移も振り返ってみます。

Google Financeより
ナスダックやS&P500は年初から見ると最も下落、ダウ平均株価もほぼ同様の状態ですね。これまでのパターンからすると明日の日経平均株価も大きく下落する流れになるのだろう、と思います。2022年は円安の影響で確定拠出年金の数字上では大きく下落した印象が薄いかもしれませんが、今後も株価の動き的には停滞気味で年末の段階で回復傾向にあるのかどうか、という状況かと思います。
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直近の円・アメリカドル為替レートの推移
それでは今年2022年の円・アメリカドルの為替レートの推移から振り返ってみます。

Google Financeより
年初から3月頭までは約115円前後で推移していましたが、米国で金利上昇が始まって以降は上昇して本日時点では129円まで上昇しました。年初からは約13%アップとなっています。
例えば年初に10万円で米国銘柄、あるいは米国の投資信託商品を購入していた場合、その銘柄が年初と現在で同じ価格だったとしても、円安で資産価値は約13%アップした、という計算になります。つまりは円安の恩恵を受けている状態で、3月末に海外株式商品が好調であった最大の要因も円安が関係していました。
この円安の傾向ですが、米国ではFRBがインフレ抑制に向けてさらに金利上昇に積極的な姿勢を示しています。
FOMCに注目、0.5%利上げか 資産圧縮焦点=今週の米株市場(ロイター 2022/5/1)
その一方で日本はどうかというと、日銀は現在の金利緩和を継続する意向を示している状態です。
日銀、金融緩和維持 指し値オペを連日実施へ:識者はこうみる(ロイター 2022/4/28)
通常は円安を防止するために米国と同様に金利を上げる対策を打つことが多いのですが「しばらくは行わない」と表明したことで、この円安の流れはしばらくは止まらないだろう、という見方が多い様です。米国の投資家からすると日本銘柄を安価に購入できる機会なので、国内のIR担当者の皆様は英語IRに注力する絶好の機会なのかも…とも感じてしまいますね。逆にその動きが無い場合、国内企業は海外から見向きもされていない状態と理解するしかなさそうです。
為替ヘッジあり商品と為替ヘッジなし商品の比較
先述の通り、円とアメリカドルの為替レートは3月以降で大きく変動しましたが、ここで関係してくるのが「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」という商品の違いで、簡単な比較表にすると以下の様になります。

つまり「為替ヘッジあり」は今回のような円安、あるいは円高に左右されないようにする商品、一方の「為替ヘッジなし」は円安や円高の影響をガッツリ受ける商品という違いがあります。いまは円安なので、為替ヘッジなし商品を年初に購入していたら、その恩恵を受けている状態、という事になります。もし今後どこかのタイミングで円高になった場合、逆にマイナスの力が働く形になります。
企業型確定拠出年金に目を向けると、おそらく海外株式商品でも「ヘッジあり」といった記載が入った商品が用意されていると思います。私の場合だと、海外株式商品は以下の4商品がラインナップされています。この中では2番目の「インデックスファンド海外株式ヘッジあり(DC専用)」がヘッジあり商品で、これは為替レートの影響を受けない商品となっています。

では実際にポートフォリオを検討する際、「為替ヘッジあり」「為替ヘッジなし」のどちらを選択すべきなのか?という事になりますが、これは非常に難しく、私自身も明確な回答は持っていません。
- 為替レートの動きに巻き込まれたくないなら「ヘッジあり商品」を
- より低い信託報酬を重要視するなら「ヘッジなし商品」を
この程度の指針しかありません。ただでさえ株式市場の推移を予測する事ですら困難なのに、為替レートも踏まえていくとなると一般の投資知識レベルでは到底太刀打ちできない、というのが本音です。経済の知識は得られるかな、とは思いますが。
結局、私の場合は「より低い信託報酬を」という方針で、ヘッジなし商品のポートフォリオが高い状態になっています。いまは円安の恩恵を受けていますが、円高の時はマイナスに働くのは致し方ないか、と腹を決めた状態です。
ヘッジなし商品での運用、という視点でまとめると、株価と為替の関係で整理するとこうなるか、と思います。「究極の×」が来ないことを祈るのみです。

2022年1月~4月の主要マーケット指標推移を受けて
今回は年初からの円安の流れを受けての為替に対するリスクヘッジについて取り上げてきましたが、主要マーケット指標の推移も振り返ってみます。

Google Financeより
ナスダックやS&P500は年初から見ると最も下落、ダウ平均株価もほぼ同様の状態ですね。これまでのパターンからすると明日の日経平均株価も大きく下落する流れになるのだろう、と思います。2022年は円安の影響で確定拠出年金の数字上では大きく下落した印象が薄いかもしれませんが、今後も株価の動き的には停滞気味で年末の段階で回復傾向にあるのかどうか、という状況かと思います。
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