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2021年6月末時点の資産評価額構成比と運用実績について

2021年も半分が終了しました。今回は6月末時点の自身の企業型確定拠出年金の資産評価額(運用益)について振り返ります。また、運営機関である三菱UFJ信託銀行のレポートも含め、運用利回り状況についても考察してみます。


2021年6月末の運用商品カテゴリー別の資産評価額構成比


それでは5月末と6月末の運用商品カテゴリーの資産評価額構成比から比較します。
2021年6月末の資産評価額構成比

構成比は大幅には変わっておらず、国内株式と外国株式が少し上昇、その影響でその他の商品カテゴリーが微減という状態です。4月に実施しているスイッチングとリバランスによって外国株式に比重を寄せていましたが、6月も株式の商品で資産評価額が増加したことによるものです。
付け加えると、掛金の割合を最小限にしているために反映されない状態ですが、REIT(リート)系の商品は資産評価額自体は今年に入ってから順調に増加していて、損益率は株式商品を上回っている状態です。なぜREITが外国株式も上回る損益率になっているのか、要因は今後調べてもよさそうです。

2021年6月末の運用実績(運用利回りスコア)


そして、昨年12月以降から注視してきた運用利回りスコアは6月末時点で以下の結果でした。
2021年6月末の運用利回りスコア
※実績管理を本格的に開始した2020年12月末の損益率を「1」としてみた場合の損益率推移グラフ

年末年始で掛金のリバランスを初めて行い、その後も数回リバランス、スイッチング1回をこの半年に行いましたが、その甲斐もあって損益率は12月末から倍近い状態に上昇できました。企業型確定拠出年金を開始している方で、まだ一度もスイッチングやリバランスの検討をしたことがない方は、この様に改善に繋がる可能性があるので検討してみてください。

本ブログのスイッチングやリバランスをテーマとした記事一覧は以下になります。
"リバランスとスイッチング"の記事一覧


運用利回り分布の過去2年の推移(三菱UFJ信託銀行のケース)


運営機関である三菱UFJ信託銀行より毎月発信されている「データで見る確定拠出年金」レポートを見ると、6月末は運用利回り分布の過去2年の推移が含まれていました。

202105_mufg-dc_result.png
・引用:「データで見る確定拠出年金」(三菱UFJ信託銀行 2021/6/30)
※スマートフォンでは見づらい可能性があるので、ピンチアウト(2本の指で広げる行為)してご覧ください。

これを見ると、直近1年では運用利回り(年率換算)が改善した加入者が多い、という事ですね。運用利回り0%以上の部分だけ切り取ってみたのが以下です。
202105_mufg-dc_result2.png

上記のグラフだと記載がないですが、「運用利回り13%以上」の割合は8.1%との事。そして、前年同月・2年前同月はほぼ居ない結果になります。これ自体は確定拠出年金に加入済みの人間としては良い傾向ですが、全体を見渡して考えれば、0%台はまだ46.7%と高い点は気になります。今年に入り、0%~2%台までは減少傾向の様ですが、それでも多い印象です。

確定拠出年金制度は企業型、個人型(iDeCo)問わず、運用を自ら実践する制度です。元本確保型だと銀行の定期預金と同等の利率(0.002%程度が一般的)しか得られず、消費税がもし今後上がる事があれば、すぐに吹っ飛んでしまう利益額に留まります。それが現実になった場合、現在のお金の価値は残念ながら下がってしまいます(100円で購入できたものが、買えなくなる状態)。
元本が保証されないというリスクは生じますが、
「確定拠出年金制度では、少しリスクを取って元本変動型の商品を選択してみては…」
と切に思います。そして、その運用益を通じて資産価値を高めていく、という考え方です。

過去に商品選択などを考察してみたことがあるので、もし参考になれば幸いです。
企業型確定拠出年金(企業型DC)の運用商品選択ポイント~前半戦(2021/2/21)

また、投資自身についても過去に考察してみたので、良ければご覧ください。
考察:投資は行うべきなのか?資産運用の視点で考える(2021/3/14)

著者:gnc21
東京都在住。Webサイト・スマートフォンアプリのデータ計測支援や分析業務を行う会社員。
企業型確定拠出年金の運用を2020年より開始。投資運用経験は企業型確定拠出年金のほか、一般NISAによる国内株式の特定銘柄購入、投資信託やETF購入が中心。