【運用編】企業型確定拠出年金 おすすめ注力ポイント

企業型確定拠出年金(企業型DC)運用の見直しを行うため、おすすめしたい注力ポイントを5点紹介します。
なお、企業型確定拠出年金をまだ開始されていない方は以下の記事をご覧ください。
【開始編】企業型確定拠出年金のおすすめ注力ポイント(2021/4/24)


資産評価額の定期的なチェック


企業型確定拠出年金を開始すると、企業が委託している運営機関から約1~2か月後までに口座情報やインターネット管理画面のログインに必要なパスワードが記載されたハガキ(書類)が届きます。管理画面はスマートフォンでも閲覧できるので、見たい時にいつでも見れるようにログインをしておくと良いです。
管理画面では、今までの累計拠出額や現時点での資産評価額、運用利回りが確認できます。
管理画面ログイン後の表示例

そしてこの運用状況のチェックですが、1か月に1度くらいで良いと思います。株式型や債券型の商品で運用している場合、市場は日々動いているので当然ながら資産評価額も毎日変わります。特に直近は株式市場の動きが安定しておらず評価額も上下しているので、一喜一憂してもあまり仕方がない…という状態です。
そのため、1か月に1度くらいがちょうど良いタイミングで、もっと極端に言えば3か月に1度でも良いと思います。あまり日々の資産評価額に感情を揺さぶられないことをおススメします。

運用商品ラインナップのチェック


むしろ企業型確定拠出年金を開始したら、改めて運用商品ラインナップを見直した方が良いと思います。
おそらくはiDeCoとは異なり、企業型確定拠出年金は会社の制度で用意されていることもあるし、企業によっては参加が必須なケースもある様なので、運用商品の特徴を完全に理解して開始した人は実はそれほど多くないのでは…と思います。
開始後数か月して管理画面で資産評価額を見て、初めて資産運用している実感が湧いてくるので、改めて運営機関が用意している商品一覧を見て、信託報酬がどうなっているか、過去実績がどう推移しているのかをチェックしてみると良いと思います。
その結果、「なぜ貴重な拠出額(掛金)を、この運用商品に回してしまっているのか…」と自己嫌悪に陥るかもしれませんが、この後に書くリバランスやスイッチングでカバーすることができます。
【本ブログ内参考記事】
企業型確定拠出年金(企業型DC)の運用商品選択を考える~後半戦(2021/2/21)
※信託報酬について、上記の記事で説明しています。

リバランス(運用割合変更)の活用と活用タイミング


企業型・個人型問わず確定拠出年金運用中の見直し方法の一つとして「リバランス」という方法があります。これは毎月の拠出額(掛金)で新たに購入する運用商品のバランスを変える方法です。
リバランスとは

たまに「運用見直しは年に一度しかできない」という内容をTwitterなどで見かけますが、それは拠出額の変更の話であり「その拠出額でどの運用商品を購入するか」については管理画面上からいつでも変更ができます。
※ただし、リバランスの反映は少し時間が必要であり、実際にそのリバランスが反映されるのは次月の拠出タイミングからになります。

現に私もリバランスは昨年4月の企業型確定拠出年金開始から既に数回行っています。リバランスにより、例えば以下のような運用割合が変更できます。

  1. 元本確保型商品の割合が50%だったものを10%に下げる
  2. 代わりに株式型商品の割合が10%だったものを50%に上げる

【本ブログ内参考記事】
掛金増加に合わせてリバランスを再度実施(2021/3/28)

そしてリバランスの活用タイミングですが、これも日々行ってもあまり効果はありません。そもそもで拠出額が反映されるタイミングでなければ商品ごとの購入口数は増加しないので、どのみち1か月に1度しか影響しない筈です。ですので「どんなに頻度早くしても月1度まで」となります。
実際にはリバランスを月1度行うという事も現実的ではなく、

  1. 開始後に各運用商品カテゴリーの資産評価額割合を踏まえ一度実施
    ※ただし資産評価額に納得できている状況なら行う必要なし
  2. その後は「年最低1回」をめどに実施
    ※もちろん資産評価額次第。納得できる運用状況であれば不要

この程度の活用タイミングで良いと思います。

スイッチング(運用商品預替)の活用と活用タイミング


リバランスと並び、もう一つの運用見直し方法が「スイッチング」です。これは運用中の商品を売却し、別の商品(運用中の商品・まだ運用していない商品問わず)を購入する方法です。
スイッチングとは

スイッチングの一番わかりやすい利用シーンとしては、
「株式型の運用商品で利益分を確定させてしまい、元本確保型などリスクのない運用商品を別途購入する」
というシーンで、企業型確定拠出年金の終了が迫ってきた時期に行うことが多いと思いますが、開始時に選択を誤った、という場合はスイッチングによって強引に運用商品を差し替えることもできます。現に、私もつい最近その形でスイッチングを実施しました。
【本ブログ内参考記事】
スイッチングを企業型確定拠出年金開始後、初めて実施(2021/5/9)

スイッチングの活用タイミングは、おそらく限定的です。理由として「利益確定タイミング」というのは非常に難しいからです。
確定拠出年金は月々の拠出額で積み立て投資するタイプの投資運用で、月々の複利により利益が膨らんでいきます。そのため、更なる利益積み上げのためには頻繁に変えない方が良いと私は思います。

基本的には上記の利用シーンの様に「開始の際に運用商品の選択をじっくり考慮しなかったので、今の知識で改めて一気に見直したい」場合か、「そろそろ終了が迫ってきており利益額にも納得できているので、利益を確定しておきたい」場合に実施することになると思います。
そう考えるとスイッチングを行う機会は限定的になってくると思います。

年1度の拠出額(掛金)の見直し


そして最後の見直しは、やはり年一度しか発生しない拠出額の見直しです。確定拠出年金のゴールは最低でも60歳ですが、逆に言えばこの年齢に到達するまでは投資した金額は原則的には引き出せない、という制度です。つまり、日々の生活に必要な資金を削ってまで確定拠出年金に回すのは、そもそもでリスクがあります。
自身を取り巻く環境は1年たてば変化している部分もあると思います。拠出額を増やしたくても、減らしたくてもそのタイミングを逃せば翌年まで変更ができないので「無理のない月々の拠出額」を見極める行為を年1度真剣に検討した方が良いと思います。

以上、運用開始後の注力ポイントとして5点挙げてみました。現状の資産評価額(運用利回り)に納得できていない、かつリバランスやスイッチングを未実施の方はチャレンジしてみてください。最低一度でも行っておけば改善に繋がる可能性があります。

著者:gnc21
東京都在住。Webサイト・スマートフォンアプリのデータ計測支援や分析業務を行う会社員。
企業型確定拠出年金の運用を2020年より開始。投資運用経験は企業型確定拠出年金のほか、一般NISAによる国内株式の特定銘柄購入、投資信託やETF購入が中心。