企業型確定拠出年金加入者による直近1年のリバランスとスイッチング利用状況

企業型確定拠出年金、そしてiDeCoにおける運用改善方法であるリバランスとスイッチングについて、三菱UFJ信託銀行がまとめた直近1年の利用状況を通じておすすめ実施タイミングを考察してみます。

三菱UFJ信託銀行による調査レポート紹介


まずは早速、三菱UFJ信託銀行が取りまとめた調査レポートから紹介します。
2020年5月~2021年4月のスイッチングとリバランスの発生件数推移
出典:三菱UFJ信託銀行「データで見る確定拠出年金(弊社全体)2021年4月末基準」より
※スマートフォンでは見づらいと思いますが、ピンチアウト(指2本で広げる行為)で大きく表示するなどしてご覧ください。

この調査では日経平均株価の推移とともに紹介してくれていますが、2020年に関しては株価が上昇するタイミングで件数が増えていますね。海外の株価推移(例えばS&P500など)や、さらに過去に遡り新型コロナウイルス発生以前の件数もあれば、より状況が詳しく認識できたので個人的に残念でした。ただ、日経平均株価に関してはこの1年は海外の株価上昇に連動して上下したと認識しているので、株価推移は同様だったのではないか…とは思います。
そして2021年に入ってからは、件数が非常に増えていますね。私自身も年末休暇の際に改めて企業型確定拠出年金の運用状況を大きく見直したのですが、多くの加入者が同様だった模様です。2021年に入ってから確定拠出年金や資産運用の記事が増えたのかもしれませんが。

リバランス増加月の傾向


まずリバランスの件数ですが、個人的にはスイッチングより少ないのが意外でした。推察するに、企業型確定拠出年金開始時期の運用商品が元本確保型中心だった加入者がこのコロナ禍で見直す時間ができて、一気に運用商品を切り替える(スイッチングする)ケースが多かったのかもしれません。
リバランスはどちらかといえば運用商品の割合を調整するために行う手段になるので、現状の企業型確定拠出年金加入者で、開始時から各商品の運用割合を意識していた方が少ないのかもしれませんね。iDeCo加入者だとスイッチングとリバランスの件数がどういう構成なのか、個人的には見てみたいです。
ただ2021年に入ってからは毎月15000件以上で推移してます。(スイッチングも増加していますが)今年に入ってから、自身の運用見直しを短いサイクルで行う加入者が増えてきている印象があります。

スイッチング増加月の傾向


一方でスイッチングが増加しているタイミングは「2020年6月」「2020年11月」そして「2021年以降」といった状況です。これは株価上昇トレンドに気付いた加入者が、運用する商品を株式型に切り替えた方が多いのではと思います。実際には外国株式の商品に切り替えている気がします。外国株式の方が上昇度が高かったと記憶しているので。私は2020年の段階ではリバランスもスイッチングも行っていない状態でしたが、振り返ってみるとそのタイミングで国内株式と海外株式いずれの商品も資産評価額が上昇してました。
【補足】
私は2020年4月の開始時点では運用ノウハウなかったので、単純に20本ほどあった運用商品すべてに均等な割合で掛金を分配していた人間です。そのおかげで各運用商品の特徴を理解するには役立ちましたが。

そして2021年は毎月40000件以上で推移しています。これは企業型確定拠出年金の見直しを真剣に考える方が増えてきている、という事かもしれません。その中に、このブログを見て参考にしたという方がいれば良いな…とは思いますが、どうなんでしょうね・・・。ただ自身で運用することが求められる制度なので、改善できる運用に着手する人が増えるのは良いことだとシンプルに感じます。

リバランスとスイッチングのおすすめ実施タイミング


この様に2021年からリバランスやスイッチングの件数は増えている状況ですが、最後に私自身が考える実施タイミングを記載していきます。あくまで私自身の考えになるので、参考程度にご覧ください。

まずリバランスですが、これは頻度高くやっても問題ないと思っていますが、掛け金が反映されるのが月1回になるので、最大でも月1回で良いかと考えます。
・株式型商品を複数選択していて信託報酬などの違いで割合を変えたい
・株式型の割合が自身が思う以上に増えてきているから、債券型の割合を少し増やしていきたい
この様な形になるか、と思っているので実際には3か月に1度、半年に1度、最低年1度リバランスをやるのかやらないのかを検討すれば問題ないのでは、と思っています。

次にスイッチングですが、「大幅に運用商品の構成を変えたい」場合のみに実施する方が良いかと思っています。それほど頻繁にやる必要性は個人的には感じません。
・開始当初、あまり深く検討せずに運用商品を選択していたので、ちゃんと意図した構成にしたい
・そろそろ拠出が終わる時期が近付いてきたので、これまでの株式型商品の利益を確定して債券型や元本確保型に切り替えたい
この様な意図でやるのは正解だと思いますので、そのタイミングでスイッチングを一度実施した後はリバランスで調整する、という方が良いかなと思います。

そもそもで確定拠出年金の利益を生み出す一つの要因は複利によるもの、と思っているため頻繁に運用商品をスイッチングによって変更する事は複利の効果が薄れると思っています。株価の上下による影響はドル・コスト平均法でカバーできますし、複利もある程度時期を積み重ねることで効果を発揮するので、目先の株価変動でスイッチングを行うのはマイナス行為だと感じています。所属企業で魅力的な新商品がラインナップに追加されない限りスイッチングは年1度までで十分では、と考えています。

ただ、スイッチングの年1度のタイミングですが、運用商品の配当金が発生するタイミングが良いのかもしれません。例えば通常の株式銘柄で配当金を行う企業の場合、対象になるのは決算月までに株を購入していた株主です。運用している各商品の決算タイミングをあらかじめ確認しておくとスイッチング実施時期をより明確に判断できそうな印象はあります。おそらくは日本の場合は3月が決算、海外の場合は12月が決算のケースが多いと思いますが、商品名で検索すれば詳細は調査できると思います。
もし3月が決算だった商品にスイッチしよう、とするなら3月上旬ごろにスイッチングを行っておけば配当対象になるのではないか、と考えています。

【本ブログ内記事カテゴリー】
過去に実施したリバランスとスイッチング

著者:gnc21
東京都在住。Webサイト・スマートフォンアプリのデータ計測支援や分析業務を行う会社員。
企業型確定拠出年金の運用を2020年より開始。投資運用経験は企業型確定拠出年金のほか、一般NISAによる国内株式の特定銘柄購入、投資信託やETF購入が中心。