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確定拠出年金の利益確定は複利効果の機会を失うのか

今回は確定拠出年金における利益確定タイミングについて考察してみます。2020年の時点で企業型DCもしくはiDecoといった確定拠出年金を外国株式中心に運用していた方は、その大半が2020年から2021年にかけて急激な運用利回り上昇を経験したと思います。こうなると「今のうち、利益確定しておくべきなのか?」という疑問が湧いてきますが、複利効果も踏まえながら運用方法を考察します。


2020年における主な株価指数の推移


まずは2020年から直近にかけての主な株価指数の推移です。

・日経平均株価の推移
日経平均株価
・NYダウの推移
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※スマートフォンで閲覧している場合は、ピンチアウト(指2本で画像を広げる)してご覧ください。

もう多くの方がご存じの通り、2020年3月に急落した後、短期間で急回復、急上昇した極めて稀な事象が発生しました。当時は「経済の実態とかけ離れていて、すぐにまた急下落する」るといった声もありましたが、NYダウはその後も緩やかな上昇を続けています。一方で、日経平均株価は1時期3万円台にも到達しましたが、その後は停滞している状態になっていますね。

ただいまだに右肩上がりのNYダウの株価の様な事象は、今はゼロ金利政策によって支えられている側面が強いらしく、その政策を主導するFRBのパウエル議長の発言はアメリカ投資家は常にウォッチされている状況の様です。
議長の発言で株価や為替相場も動く! FRBとはどんな機関か(finasee 2020/11/18)

そうなると、いまの株価はやはりバブル的な上昇、つまり異常な上昇になるので今のうちに利益確定した方が良いのか?という考えも浮かびます。

複利効果を考える


一方で、企業型確定拠出年金(企業型DC)やiDeCo、あるいはつみたてNISAなどは毎月ごとに拠出額を積み立てていく投資となりますが、利益が膨らむ鍵となっているのは「複利効果」だと思っています。この複利効果を得るには、購入商品の保有を長期的に維持する必要があります。

投資には、中長期的に行っていくことで、投資資金を運用して得られた利益が更に運用されて増えていく「複利」の効果があります。「投資期間」と「複利」の効果には関係があり、投資期間が長いほど、複利効果も大きくなる傾向があります。また投資期間が長いことで、投資による価格変動リスクが小さくなり、安定した収益が期待できます。

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出典:投資の基本(金融庁)

そのため、企業型確定拠出年金やiDeCoの様な積立投資タイプの運用はこの複利効果を活かしていく事が前提になると考えています。

利益確定は頻繁に行うべきなのか?


私の意見としては「安易に利益確定を繰り返すべきではない」と考えています。積立投資タイプで最終的に資産を成長させるには、上記で触れた複利効果を活かすことが肝要です。いつか株価が下落するタイミングは訪れると思いますが、60歳までの運用の中で改めて株価は上昇する可能性の方が高いと見ています。…ただ、日経平均株価は1989年のバブル期が最高額で、それから30年以上たった今でも記録を更新できていないですが…(余談になりますが、個人的に国内株式がイマイチ信用できないのは、この事実が大きいです。この国は大丈夫なのでしょうか…)。

ただ、それは私自身の企業型DC運用期間が15年以上残っているから言える話でもあります。もし私がそろそろ運用のゴールを迎える時期である場合は確実に利益確定します。スイッチングで株式商品を売却し、おそらく元本保証型の商品を購入します。

ですので、利益確定のアクションは「運用のゴールがいつなのか?」のタイミングが重要だと思います。私自身も去年の開始時に3%程度の運用利回りか?と思って始めたものが、この記事時点では運用利回りは13%以上あります。想定を上回る状態のため利益確定すべきかを考えましたが、運用ゴールがまだ先なので利益確定は行わず、複利効果に期待する事にしました。株価が下落する時期は運用中に確実に訪れると思いますが、「開始前は運用利回り3%程度を目指していた」という当初の想定を思い出して、直近はほったらかし運用を行おうと思っています。

著者:gnc21
東京都在住。Webサイト・スマートフォンアプリのデータ計測支援や分析業務を行う会社員。
企業型確定拠出年金の運用を2020年より開始。投資運用経験は企業型確定拠出年金のほか、一般NISAによる国内株式の特定銘柄購入、投資信託やETF購入が中心。