GPIFのツイートに学ぶ分散による投資運用の考え方

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のTwitterアカウントでは、投資運用に関するツイートが確認できます。今回はそれらのツイートから投資運用の参考になりそうなポイントを紹介します。


商品カテゴリー別の年次リターン推移


まずは国内株式、海外株式、国内債券、海外債券の過去50年間のリターン推移です。

株式と債券のリターン幅とリスク幅が良く分かります。株式はリターンもリスクも大きい。一方で債券は大崩れしないけどリターンも限定的と性質が大きく異なることが良く分かります。

株式と債券それぞれの過去20年の年度リターン実績


次に、株式と債券の過去20年におけるリターン率のランキングです。

サブプライムローン問題が顕在化された2007年、そしてリーマン・ショックが発生した2008年などは債券のリターン率が高くなっています。雑に言ってしまうと、金利が下落したタイミングでは債券の価格は上昇するので、金利の影響があった年度、とも言えます。
※余談ですが、リーマン・ショックという呼称は日本だけしか通用しないそうです。海外だと「the financial crisis」と呼ぶのが一般的らしいです。

長期による投資運用結果のメリット


次に、100万円を「1年で運用した場合の結果」と「10年で運用した場合の結果」です。つまりは短期と長期それぞれの運用結果比較です。

過去10年間では、10年で運用した場合では元本割れが発生しなかったそうです。投資運用は短期的な視点でリターンを求めないで、長期的な視点で見守っていく事が重要であることが分かります。
もちろん「デイトレード」という言葉がある通り、短期的なリターンで投資を行う方々も居るのですが、大半の方が時間をそれなりに費やして運用をされている筈で、一般的なビジネスパーソンでそこまで時間を費やすのは難しいと思います。そもそもで、そこまで日常的に株価や金利変動に神経を尖らせたら確実に本業に影響が生じます。一般的なビジネスパーソンが投資運用をするのであれば、短期的なリターンではなく長期的なリターンを期待した運用を行うべきなのだろう、と感じます。

性質や値動きの異なる商品の組み合わせ


最後に性質の異なる商品の組み合わせによるメリットを示したのが以下のツイートです。

これは1点集中した投資ではなく、お互いのマイナスを補完しあう事で堅実なリターンを確保していく考え方です。確定拠出年金で言うと昨年は株式型で大幅な価格上昇があったため、一気に運用利回り率が上昇した人も多かったと思います。一方で拠出終了をそろそろ控えている場合はリスク極まりない状態になるので、債券(あるいは元本確保型)と組み合わせたポートフォリオにしておくことで大幅なリターンよりも堅実なリターンを図っていく、という事になります。
GPIFでは、目指すリターン率は1.7%に設定されています。そして、配分は国内株式・海外株式・国内債券・海外債券それぞれ25%ずつになっているそうです。より大きなリターンを狙うのであれば株式の比重を大きくする方針も考えられますが、GPIFは将来に向けて堅実な年金積立金の積み上げを求められているので、商品構成を分散することで堅実なリターンを狙っている、という事ですね。
この考え方は50歳を超えた場合の確定拠出年金のリバランスに参考になりそうです。そして、銀行の預金では金利が限りなく限定的だから資産運用をどうするか悩んでいる場合は、銀行の金利よりも少し上のリターンを期待するための戦術として参考にできそうです。

今回紹介したツイート以外にも、GPIFは投資で出てくる用語の説明などを分かりやすく説明するツイートなどがあるので、投資の基礎知識を学ぶには参考になると思います。
GPIFのTwitterアカウント

最後に余談ですが、この記事を作るにあたりGPIFのツイートを集めていたら、最近で経営状態の悪化が騒がれている恒大集団に対し、GPIFが投資している(株主で9位らしいです)という事でそれを取り上げてるツイートを見かけました。
ちょっとこれは煽り方が酷いです。GPIFの投資の全容までは認識していないまでも、GPIFは様々な企業に投資をしている筈で重箱の隅をつつく様な内容のツイートです。これだけを取り上げて「将来の年金がなくなる!」と決めつけるのは、あまりにも短絡的な意見だと個人的には感じます。
最近はこの様に一部だけを取り上げて誘導したがる人が増えているので、自分も勉強しながら情報をしっかり精査できるようになりたい、と強く感じたので紹介しました。もちろんこれも私個人の見解になるので、正しい判断をするためには自身で情報を集め、知識を積み上げ、そして判断して頂けたら、と思っています。

著者:gnc21
東京都在住。Webサイト・スマートフォンアプリのデータ計測支援や分析業務を行う会社員。
企業型確定拠出年金の運用を2020年より開始。投資運用経験は企業型確定拠出年金のほか、一般NISAによる国内株式の特定銘柄購入、投資信託やETF購入が中心。