企業型確定拠出年金をテーマにブログを作ってから、知人にiDeCo(個人型確定拠出年金)も含め確定拠出年金について質問をもらう機会も出てきました。今回はその中でよくある質問について、自身の回答をまとめていきます。
※あくまで私個人の価値観での回答になります。最終的にはご自身の判断で決断頂けるよう、お願いします。


【運用期間】確定拠出年金で、何年運用すべきなのか?


まだ企業型DCもiDeCoも加入していない方からは、よく何年ほど運用すべきか、いつから開始すべきかを質問されることがあります。個人的な意見としては「確定拠出年金は20年間は運用しておきたい。理想的には30年間できると複利効果も大きく期待できる」と思っています。

下記は金融庁が用意するシミュレーションで実際に月に3万円、利回りを3%としてみた場合の30年間の運用成果です。
30年間運用した場合の運用成果例
資産運用シミュレーション(金融庁)

上記だと例えば21年間だと運用収益は約300万円ですが、30年間だと運用収益は約668万円まで期待できます。確定拠出年金やつみたてNISAの様な投資運用は複利効果に期待するなら30年間運用するのが良いと個人的には思っています。

ただ、新卒の時点から運用を開始すべきかと言われたら、そうは思いません。新卒時点では当然まだ給料は限定的(最近はエンジニアだと年収1000万スタート、というような記事も見かけはしますが)なので、貯蓄を優先して良いと思います。また、そのころはおそらく友人もまだ比較的時間があり、一緒に旅行に出かけたりできる機会が多くあるタイミングです。30代からは周囲も家庭を持ちその機会は確実に減るので、20代後半まではその様なお金の使い方でも良いのではないか、と。遊べる時にはちゃんと遊ぶのも重要だと思います。
それらを総合的に考えると、確定拠出年金を開始するのは30代直前からでも充分ではないかと思います。それでも60歳までには30年間以上運用できる計算になります。
もし20代前半から投資を行ってみたい場合は、つみたてNISAを始めるのが良いと思います。つみたてNISAは途中でやめることも可能ですし、そもそもで確定拠出年金と運用方法が似ているので、その後に確定拠出年金を始める際に運用経験を活かせる筈です。

【運用実績】運用利回りが好調であるかを判断する


次によく聞かれるようになったのは、「この運用利回りは良いの?悪いの?」という点です。
この判断については、まず想定利回りの話からしたいと思います。
確定拠出年金を退職給付制度から移行する場合において、従来制度と同水準の給付額となるように資産形成するために必要となる運用利回りのこと。

確定拠出年金の事業主掛金を決める際の割引率であり、加入者が給付時まで資産運用をする際の目標利回りであるという2つの意味を持つ。高い率であれば、事業主としての掛金負担が軽くなり、加入者の運用目標は高くなる。

なお、DC法では想定利回りは規約で規定すべき事項とはされていない。
想定利回り(企業年金連合会)

上記の様に、想定利回りは退職給付制度と同水準の資産形成を目指す場合の運用利回りを意味しますが、多くの企業だと2.0%~2.5%の間で設定されることが多いです。
【本ブログ参考記事】
2021年現在の企業型確定拠出年金の実態とは?実態調査レポートから考察(2021/4/10)

ですので、これを基準にすれば、運用利回りが2.5%を下回る場合は残念ながら好調とは言えない状態と判断して問題ないと思います。
ただ一点あるとしたら、例えば今年から企業型DCあるいはiDeCoを開始されていて、かつ株式を中心にポートフォリオを組んだ場合は、最近の株式は乱高下気味であったので、半年間ほど様子を見てから判断すれば良いか、と感じます。

【ポートフォリオ】元本確保型商品と元本変動型商品の選択について


そしてポートフォリオについてですが、まず元本確保型商品を入れておくべきか否かについては、元本確保型商品は開始時に入れなくてOKと思っています。元本変動型商品の中から選択する事を推奨します。
元本確保型商品の出番は50代になってからで問題ない、と思っています。私も全く知識がなく企業型DCを開始したので、当時は元本確保型の商品にも拠出していました。でも、ある程度把握できるようになったタイミングで元本確保型商品への拠出をリバランスで大きく減らし、今年の5月には元本確保型商品分はすべて元本変動型商品にスイッチングしました。
【本ブログ参考記事】
企業型確定拠出年金開始後、初めてスイッチングを実施(2021/5/9)

今の知識の状態で改めて開始したならば、確実に元本確保型商品は選択しません。元本確保型商品に回したい金額があれば、銀行口座で貯蓄すれば良いからです。ただし、50代を超えた後、いままでの利益を確定しておきたい場合は元本確保型商品にスイッチングすることで確定になるので、それは有効な使い道だと感じてます。

【ポートフォリオ】国内株式と海外株式の選択について


そして株式型を選択する際に聞かれる点は国内株式と海外株式の比率です。
これについては、確実に無難な選択は「全世界」「先進国」「S&P 500」この3つを対象としたパッシブ型(インデックス型)商品の比率を高める、つまり海外株式を軸にする選択になってしまうかと思います。各商品については1年後リターン、5年後リターン、10年後リターンと実績が確認できますが、上位に入るものはおそらくこの3つを対象にしている商品です。

全ての商品はさすがに網羅できませんが、以下の記事で海外、国内を対象にした実績比較が確認できます。
確定拠出年金20周年で企業年金に4倍以上の差、運用の長期化で運用商品の選択による格差が拡大(2021/11/9 MORNINGSTAR)

もちろん個人としては日本の企業に勤めているし居住も国内ですから、国内経済の成長を通じて国内株式がより高値になるべく精進しなければならない立場です。ですので国内株式へ投資したいのは山々ですが現実だけで考えれば「全世界」「先進国」「S&P 500」絡みの海外株式商品を選択するのが鉄板にはなってしまうのが事実です。日本経済にかかわる会社員としては反省すべき点でもありますが…。
なお、商品の選択時に要チェックすべきポイントが「信託報酬」についてです。信託報酬は過去にも取り上げたのでリンクを記載しますが、信託報酬自体は低ければ低いほど良いと私は思います。信託報酬が高い商品も一覧に含まれているケースが大半ですが、なぜ信託報酬が高いのか、その理由に納得できる場合のみ、その商品を選択すれば良いと思います。
【本ブログ参考記事】
企業型確定拠出年金(企業型DC)の運用商品選択ポイント~後半戦(2021/2/21)

著者:gnc21
東京都在住。Webサイト・スマートフォンアプリのデータ計測支援や分析業務を行う会社員。
企業型確定拠出年金の運用を2020年より開始。投資運用経験は企業型確定拠出年金のほか、一般NISAによる国内株式の特定銘柄購入、投資信託やETF購入が中心。