2021年現在の企業型確定拠出年金の実態とは?実態調査レポートから考察
今回は企業年金連合会が2021年2月末に公開した「確定拠出年金実態調査結果 (概要)」というレポートの内容を紹介しながら、2021年現在の企業型確定拠出年金の実態について考察してみます。
※私見も含んでいるため、最終判断はレポートをご自身で確認の上でご判断ください。
まず、実際の調査結果は以下URLでPDFが確認できます。
・確定拠出年金実態調査結果 (概要) - 企業年金連合会
このPDFで気になったスライドを紹介していけたらと思います。
■想定利回り

これは導入する企業側が(目安として)設定する数字になるという認識で、大体が2%程度とみている様ですね。この数値をあまり高くすると加入者に変に期待を持たせてしまうし、妥当なのかと思います。
が、この2%って元本確保型商品のみの運用だと達成できないはずで、若干のリスクは取らないといけないですね。
※例えば銀行の定期口座の金利は現在はおおよそ0.02%程度の筈です。多くの元本確保型商品もその程度になるので。
■実際の加入者の運用利回り実績

0~3%の範囲で約半数ですね。そして結構マイナスも多い…。これが「企業型確定拠出年金」をGoogleで検索する際に「企業型確定拠出年金 デメリットしかない」「企業型確定拠出年金 ひどい」といった候補キーワードが出てくる要因になっているのかもしれません。
■資産運用・資産配分

おおよそ運用の半分が元本確保型商品。これだとあまりリスクは取っていない運用ですね。
※私の場合は極端なので推奨しませんが、最近行ったリバランス後だと元本確保型商品の掛金は7%です。
■運用商品の本数

平均18.9本。これは少ない気がしますね・・・。ちなみに私の会社だと2021年3月時点で運用商品は22本です。選択できる運用商品は企業ごとに異なるので、もしiDeCoと悩んでいる人がいる場合は、この運用商品本数を調べてみると良いかもしれません。10本程度の場合、個人的には企業型DCの開始をあまり推奨できないです。
■運用商品_投資信託

これも判断が難しい…。特に日本株式でパッシブよりアクティブの商品が多い点は。
まず、パッシブとアクティブの違いについては以前に触れたことがあるので、気になる方はそちらをご覧ください。個人としてはこの2つの違いをしっかりと事業会社の運営担当が説明しているなら問題はないかと思います。アクティブについては信託報酬が大きいデメリットと、リターンが大きくなるかもしれないメリットと2つの側面があるので、パッシブよりアクティブの運用商品の方が多いのは企業型確定拠出年金を委託されている信託側の意向でしょうが、あまり感心しないですね。せめて均等な本数を用意すべきだと思います。
■継続投資教育

このうちの「この3年間は実施せず」の18%に該当すると思われた方については、ちゃんと社内の担当に働きかけをするべきですね。
企業型確定拠出年金を導入した企業は、社内従業員へ制度の理解に必要な教育をする義務があります。それを3年間放置していた、という意味になるので。
■制度運営の体制

企業側の運営としてあるべき姿は、この円グラフのオレンジと水色が該当する25.7%が実現されている状態ですね。この中に入る、という企業にお勤めの方は企業型確定拠出年金の制度を定期的に見直してくれている可能性が非常に高いと思います。
今回はこのような形で調査結果に対して私見を述べましたが、企業型DCとiDeCoどちらを選択するか迷っている方は、お勤めの企業における制度で以下の点を確認するといいかもしれません。
上記3点いずれも満足できる内容であれば、企業型DCでの運用で問題ないと思います。逆に満足できない場合はiDeCoの選択を検討すると良いと思います。
企業型DCは、どうしても企業が選択している運営機関、あるいは教育体制に左右される要素があります。運用商品のラインナップは変更がなかなか難しいためです。実際には制度の改善を図るのは導入企業の義務なので、従業員が運用商品の追加をリクエストした場合は企業担当は検討しなければならない筈ですが。
もし自社の制度に不安要素がある場合は、iDeCoの選択も視野に入れると良いかもしれません。ただ、企業型DCとiDeCoで捻出できる掛金上限が違ったり節税効果も異なりますので、違いはあらかじめ把握すると良いと思います。
【本ブログ参考記事】
iDeCoとの比較で「選択制DC」企業型確定拠出年金のメリット・デメリットを検証(2021/9/21)
※私見も含んでいるため、最終判断はレポートをご自身で確認の上でご判断ください。
実態調査による利用状況について
まず、実際の調査結果は以下URLでPDFが確認できます。
・確定拠出年金実態調査結果 (概要) - 企業年金連合会
このPDFで気になったスライドを紹介していけたらと思います。
■想定利回り

これは導入する企業側が(目安として)設定する数字になるという認識で、大体が2%程度とみている様ですね。この数値をあまり高くすると加入者に変に期待を持たせてしまうし、妥当なのかと思います。
が、この2%って元本確保型商品のみの運用だと達成できないはずで、若干のリスクは取らないといけないですね。
※例えば銀行の定期口座の金利は現在はおおよそ0.02%程度の筈です。多くの元本確保型商品もその程度になるので。
■実際の加入者の運用利回り実績

0~3%の範囲で約半数ですね。そして結構マイナスも多い…。これが「企業型確定拠出年金」をGoogleで検索する際に「企業型確定拠出年金 デメリットしかない」「企業型確定拠出年金 ひどい」といった候補キーワードが出てくる要因になっているのかもしれません。
■資産運用・資産配分

おおよそ運用の半分が元本確保型商品。これだとあまりリスクは取っていない運用ですね。
※私の場合は極端なので推奨しませんが、最近行ったリバランス後だと元本確保型商品の掛金は7%です。
企業による運営状況について
■運用商品の本数

平均18.9本。これは少ない気がしますね・・・。ちなみに私の会社だと2021年3月時点で運用商品は22本です。選択できる運用商品は企業ごとに異なるので、もしiDeCoと悩んでいる人がいる場合は、この運用商品本数を調べてみると良いかもしれません。10本程度の場合、個人的には企業型DCの開始をあまり推奨できないです。
■運用商品_投資信託

これも判断が難しい…。特に日本株式でパッシブよりアクティブの商品が多い点は。
まず、パッシブとアクティブの違いについては以前に触れたことがあるので、気になる方はそちらをご覧ください。個人としてはこの2つの違いをしっかりと事業会社の運営担当が説明しているなら問題はないかと思います。アクティブについては信託報酬が大きいデメリットと、リターンが大きくなるかもしれないメリットと2つの側面があるので、パッシブよりアクティブの運用商品の方が多いのは企業型確定拠出年金を委託されている信託側の意向でしょうが、あまり感心しないですね。せめて均等な本数を用意すべきだと思います。
■継続投資教育

このうちの「この3年間は実施せず」の18%に該当すると思われた方については、ちゃんと社内の担当に働きかけをするべきですね。
企業型確定拠出年金を導入した企業は、社内従業員へ制度の理解に必要な教育をする義務があります。それを3年間放置していた、という意味になるので。
■制度運営の体制

企業側の運営としてあるべき姿は、この円グラフのオレンジと水色が該当する25.7%が実現されている状態ですね。この中に入る、という企業にお勤めの方は企業型確定拠出年金の制度を定期的に見直してくれている可能性が非常に高いと思います。
企業型DCとiDeCo、どちらを実施するべきか
今回はこのような形で調査結果に対して私見を述べましたが、企業型DCとiDeCoどちらを選択するか迷っている方は、お勤めの企業における制度で以下の点を確認するといいかもしれません。
- 選択できる運用商品本数は何本であるか(20本前後用意されていると良い)
- パッシブ型運用商品とアクティブ型運用商品それぞれの本数(パッシブ型運用商品が多い方が理想的)
- 社内の教育状況(ここ1年で行っている教育状況を周囲の方々にヒアリングすると良いかもしれません)
上記3点いずれも満足できる内容であれば、企業型DCでの運用で問題ないと思います。逆に満足できない場合はiDeCoの選択を検討すると良いと思います。
企業型DCは、どうしても企業が選択している運営機関、あるいは教育体制に左右される要素があります。運用商品のラインナップは変更がなかなか難しいためです。実際には制度の改善を図るのは導入企業の義務なので、従業員が運用商品の追加をリクエストした場合は企業担当は検討しなければならない筈ですが。
もし自社の制度に不安要素がある場合は、iDeCoの選択も視野に入れると良いかもしれません。ただ、企業型DCとiDeCoで捻出できる掛金上限が違ったり節税効果も異なりますので、違いはあらかじめ把握すると良いと思います。
【本ブログ参考記事】
iDeCoとの比較で「選択制DC」企業型確定拠出年金のメリット・デメリットを検証(2021/9/21)
"2021年現在の企業型確定拠出年金の実態とは?実態調査レポートから考察" へのコメントを書く